慢性腰痛で困っている人が多い職業として、

  1. 肉体労働
  2. デスクワーク
  3. 立ちっぱなし

があげられます。
なかでも鍼灸に来られる方は、デスクワークで痛めているパターンが多いです。

長時間椅子に座った同じ姿勢で集中してしまうことで、腰椎や股関節が固まってしまう、お尻の筋肉が圧迫されてしまう、血行だって悪くなってしまう、そして一度でも強い痛みを経験すると、ちょっとしたことで「また痛めてしまうのではないか?」と不安になってしまう・

慢性腰痛はなかなか一筋縄ではいきません。
夜寝ているときに痛くて目が覚めるとか、朝の寝起きが一番痛い、でも動いているうちにだんだん楽になっていくという方がいますよね。

そんな方は血行不良ですから、温めるなりして血流をよくしてあげると楽になることが多いです。
朝方は楽だけれど、夕方からだんだんと痛くなるという方は、筋肉・骨盤のゆがみの問題ですから、コリをほぐし、日常の動き方を変えていくと楽になることが多いです。
椎間板ヘルニアのような問題を抱えている方は常に痛い。
そんな方は鍼灸で痛みを緩和しながらリハビリをしたり、ウォーキングをしたり運動療法を加えながら時間をかけて対処するのがよろしいかと思います。

ただいずれにせよ、いかにリラックス状態を作るかは共通のテーマです。

ロダンの考える人の彫刻があるじゃないですか。
椅子に座っているのに、あたかも重たい荷物を運んでいるかの如く全身に力をみなぎらせていますよね。
血圧も上がっているでしょうに、無駄なエネルギー使いまくって、発電でもできるとよいのでしょうがそうとも行きません。
そこまで極端ではないでしょうが、仕事で緊張しながらパソコンに向かっている人って、同じように無駄に筋肉に力が入っているものですよ。
筋肉の凝りって、自分で無駄な力をある特定の部分に入れているから起こるのですから、癖のたまものともいえるのです。
腰が凝りやすい方は足腰に無駄な力が入っているのです。

じゃぁその癖を半減するようにしましょう。
癖をただすのは意外と難しいので、目指すべきは半減です(笑)
すぐに簡単に、しかもお金をかけずにできることをやってみましょう。

私が推奨するのは、椅子の高さを変えることです。
馬鹿馬鹿しいでしょ?
あなたが仕事でいつも座っている椅子に腰かけてください。
足を軽く開いて、両膝をパタパタと閉じたり開いたりしてみてください。
軽くできますか?

椅子の高さが合っているなら、力を全く入れずに足は軽く動くはずなんです。
では次に机の上のパソコンに向かってみましょう。
いつもの仕事をしている姿勢です。
少し前かがみでキーボードに両手が触れているいつもの恰好。
その時に、両膝は力を入れなくてもパタパタと軽く開いたり閉じたりできますか?
もしも何となく動きが硬くなるとか、少し力が入ってしまうようでしたら、足を踏ん張っている状態なのです。
つまり力が入っている。
その状態で8時間パソコン作業をしていたら、疲れるのは当たり前ですね。
ではどうするのか?

簡単なことです、パソコンに向かった姿勢をとっても足が軽く動くように椅子の高さを調整するとよいのです。
通常は高くすると足の力は抜けますが、高ければよいというものでもありません。
その人によって快適な状況というのはそれぞれですから。
クッション・座布団を置くことも良いですよね。
ポイントはあくまでもパソコン作業をしている姿勢でも足に無駄な力が入っていない状況を作ることです。
そんな簡単なことでも腰痛が楽になってしまう人って結構いるものですよ。

私の印象では、仕事の姿勢で足を踏ん張ってしまい、結果として腰を痛めている方は筋膜リリースが効果的であることが多いです。
まず筋膜リリースで広い範囲で緊張を取ってあげて、それでも残る深い部分のコリを鍼で緩める。
日常生活の中では仕事中に無駄なりきみを減らすように心がける。
腰痛がいつまで続くか分からなくて不安を抱えているよりも、早めに鍼灸を受けることをお勧めします。